氷ノ山わさび谷   2001年2月24日〜25日

 *近年、ワサビ谷で遭難が多発しているそうです。バックカントリー初心者が簡単に滑ることのできるコースではありませんので、安易に入らないようにお願いします。

 恒例の氷ノ山関西山スキー交流会。2001年はスノーボード2名を含め20名の参加で若桜氷ノ山スキー場から山頂〜わさび谷と、三の丸〜戸倉の2コースで行なわれました。
 昨年と同じく土曜日の昼に戸倉のやまめ茶屋に集合。今年はやまめ茶屋の林道終点で積雪1mほど。昨年と比べたら半分以下、平年並みと言ったところです。午後からは若桜氷ノ山スキー場でスキーのトレーニング。天気予報では曇り時々雨でしたが、たいして雨は降らず、夕方からは気温が下がって雪になりました。今年はゲレンデの一番奥のアルパインヒュッテ泊で、夜は樹氷祭りの花火を見てから、明日の最終ミーティング。そのあとアルパインヒュッテのご主人からわさび谷について色々貴重なアドバイスをいただきました。

     


  戸倉峠のやまめ茶屋 +パジェロio
雪に埋もれたやまめ茶屋

三の丸の展望台で戸倉パーティーを待つ 
三の丸手前の展望台で戸倉パーティーを待つ

 25日は夜のうちにゲレンデでも20cm程の積雪があり、朝は小雪程度。当日参加の2名と合流して、8時のリフト運行に合わせて出発。リフト2本を乗り継いでゲレンデ上へ。上の方のリフトはゲレンデは中間駅までしか営業していませんが、登山者は一番上まで乗せてくれます。
 登り始めはちょっと急斜面で細い尾根なので、リフトを降りた所でスキーをザックにつけてつぼ足でパーティー毎に出発。わさび谷パーティーが先に行く。20〜30cmの新雪が積もっているがラッセルと言うほどのことはない。1時間ほどで広い尾根に出て、シールを着ける。戸倉パーティーはちょっと遅れ気味。
 このあたりからかなり雪も降り出し、視界も50mほど。CL上田さんを先頭に広いなだらかな尾根を進み、30分で三の丸の展望台に到着。戸倉パーティーを待つ。合流後いっしょに三の丸避難小屋まで行き、ここから戸倉組と別れて山頂に向かう。
 わさび谷の頭あたりまで来た頃にはかなり雪も激しくなってきたので、このまますぐに滑るか頂上までいくか相談するが、頂上までは迷うような地形ではないので頂上を往復する事にする。細かいアップダウンを繰り返して12時過ぎには山頂避難小屋に到着する。
 山頂避難小屋で昼食の後、12時50分に出発。避難小屋にいた先行パーティーの人から、わさび谷への下降は「3番」の標識の所からがいいと教えてもらう。相変わらず視界は悪く尾根をはずさないように慎重に滑っていく。新雪を快適に滑れたのは少しだけで、後はまたアップダウンの繰り返し。雪はけっこう深くスノーボードは登り返しに苦労している。
 途中の杉の大木に「4番」の標識が付いているが、わさび谷はもう少し先と思われるので進むと、少し先のブナの木に「3番」の標識がある。山頂側から1番なので標識が前後しているので要注意。なお、もう一つ三の丸よりのミクワ谷を滑ると途中に滝があるので間違わないようにとのことです。
 ここで戸倉パーティーとトランシーバーで交信。戸倉組はまだ三の丸避難小屋にいるとの事で、合流することも考えたが、三の丸まで登り返していると時間も遅くなるのでそれぞれ行動を開始する。
 わさび谷は滑り出しから30度くらいのけっこうな急斜面がずっと続いている。30cmくらいの降りたての軽い新雪で快適な滑降。下りるにしたがって木が多くなってきてちょっと滑りにくい。少し傾斜が緩くなって左に曲がるあたりで、右の斜面から雪崩の跡があり、デブリが谷底まで達している。さらに傾斜が緩くなって流れが出てきた所で右岸にわたり杉林の急斜面をトラバースしていくと、イヌワシゲレンデの最上部に出る。流れにそってそのまま進んでもゲレンデの連絡橋あたりに出ます。谷にそって滑れば必ずゲレンデに突き当たるので安心です。

  わさび谷への滑降開始地点
わさび谷への下降地点で
うしろのブナの木に「3番」の標識があります

わさび谷を滑降
わさび谷を滑降

 わさび谷は山頂からの最短コースで迷う心配もありませんが、時期によっては雪崩の恐れと、ある程度新雪をこなせる人でないと難しいかも知れません。(記録 松原)


 8:10      スキー場のリフトに乗って出発
 8:40      リフト上からつぼ足で歩き出す

 9:35〜50   広い尾根に出てシールを着ける
10:30〜40   三の丸展望台で戸倉パーティーを待つ
10:50      三の丸で戸倉パーティーと別れて山頂へ向かう
12:05〜50   山頂避難小屋 昼食
13:50〜14:00 わさび谷の頭から滑降開始
15:00       イヌワシゲレンデの上部に到着

CL 上田  SL 松原  メンバー 岡、片桐、田中、阿野、和佐、宮崎、
 佐藤(大阪山スキークラブ)、藤田(Berg松濤会)


 メンバーの藤田さんのホームページにも記録が載っています。
    
Berg松濤会

 なお、戸倉パーティーは途中で迷ったりして、やまめ茶屋への下山が5時半頃になり、多くの方にご心配をかける結果になってしまいました。こちらの記録は別途文書による報告書があります。

補足説明
 何人かの方から下部はブッシュだらけだったという指摘をいただきました。積雪の少ない時期だと下部は藪が埋まりきっていなかったり、流れが出ていて徒渉しないといけなかったりするようです。若桜氷ノ山スキー場の積雪情報等を参考にして下さい。また、降雪直後等は特に右岸からの雪崩の恐れがありますので、天候を判断のうえ弱層テスト等をして自己責任のもとで滑って下さい。


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