室堂から一の越へ登る
室堂から一の越への登り 5月4日

 立山 御山谷・タンボ平 山スキー
             
1989年5月2日夜〜5日
 

      CL 松原  SL 深  M 宮野、藤本、久加天、菅谷 

 ゴールデンウィークの5月3日から5日、いちばん混む時だけどこれしか休みがとれないメンバーだからしかたがない。どんぐりが正式に発足して最初の立山山スキー、後半組はルート経験のあまりないメンバーばかりになってしまいました。

 5月2日夜行の急行アルペンで出発。富山地鉄に乗りついで立山ケーブルの駅ヘ。一番電車だったので少しはましかと思ったが、やはり駅は人でいっぱい。ケ-ブルに乗るのに4時間待ちで、室堂に着いたのは12時ころになってしまった。
 室堂に着いたころからガスがかかってきて、雷鳥荘への途中まで滑っていくが、だんだん霧がこくなってきて何も見えなくなったので、しかたなくスキーを持って歩くことにする。そのうち、ひょうかアラレみたいなのが 降ってきて 、雷までなりだした。スキーを持っていると、まるで避雷針をたてて歩いているようなものなので、急いで近くの山小屋Iこ避難する。30分ほどで雷はおさまったものの,あいかわらず深い霧で、地図と磁石をたよりになんとか雷鳥荘まで到着できた。今年は残雪が例年よリ2mぐらい多いそうで雷鳥荘もー階はまだすっかリ埋まっていて入口だけ堀り下げてある。それに増築工事中で乾燥室やホ-ルがなくなっていてだいぶ感じが違う。奥大日岳の夕焼け
 天気は回復しそうにないので、今日の行動は中止にして部屋で昼寝などをする。Tバーリフトも止まっていて、深くんは連休前半に行った組からたくさんリフト券をもらってきていたのに残念そう。夕方Iこなってやっと少し晴れてきた。まだ雲は多いが、奥大日岳に沈む夕日がきれいだ。明日はきっと晴れそうだ。 

雷鳥平にはテントがいっぱい
雷鳥荘から見た雷鳥沢 雷鳥平にはテントがいっぱい
5月4日 御山谷
  5月4日は朝から快晴。宿の朝食を一番に食べて7時には出発する。しかし、菅谷さんはきのうから風邪がひどくて、今日は一日小屋で寝ていることにする。シールを着けて室堂山荘経由で一の越へ。室堂山荘から先は室堂ターミナルから来る登山者やスキーヤーでいっばいで行列ができている。去年滑落事故のあった所も、雪質がよければ何てこともない斜面で去年の事故がうそみたいだ。
立山一の越は人がいっぱい
一の越は人でいっぱい

 9時に一の越に到着。ここも人でいっぱいで夏山みたい。でも御山谷ヘ行く人はあまりいないようだ。シールをはずして宮野さんを先頭に滑リだす。御山谷は幅の広い谷で人もいないしコースは自由自在だ。雪もよくしまっていて滑りやすいし、谷をどんどん滑って行けばいいので迷うこともない。難を言えばちょっと傾斜が緩すぎておもしろくない。藤本さんはSAJ2級でハ方でアルバイトをしていたというだけあってさすがにうまい。谷を3分の2ぐらい滑ったあたりから川の流れがでてきて、右岸を滑るが、今年は残雪が多いので川原を楽々滑っていける。途中一ヶ所高巻く所があったが、黒部湖の湖畔まで滑ることができた。
 湖畔で昼食を食ベ、スキーをザックにつけて湖畔の道を黒四ダムまで歩く。湖畔の道といってもほとんど雪の上だ。2時には黒四ダムに到着。最初のケーブルにはすんなリ乗れたものの、次のロープウェイで1時間半待ち。室堂に帰ってきたのは5時ごろで、もうひと滑りできると思っていたのにがっかりだ。
一の越から御山谷へ滑降開始
一の越から御山谷へ滑降開始
御山谷を滑る藤本さん
御山谷を快適に滑る
黒部平でロープウェイの時間待ち
黒部平でロープウェイの時間待ち
5月5日 タンボ平
  今日は最終日なので荷物を全部背負って出発。菅谷さんはまだ風邪がなおらなくて.途中までいっしょに行くが、かなり調子が悪いので室堂山荘の所から別れてアルペンルートの交通機関を使って下山することになる。
 今日は天気は薄曇りで頂上あたりは雲がかかっているが、一の越からは十分視界がきくので予定どおリタンボ平のコースを行くことにする。東一の越までははっきりしたシュプールがついているのでそのとおリに行く。最初はほぼ水平の長い斜滑降で、ずっと同じ姿勢なので苦しい。しばらく行くと雪がきれてガレ場lこなる。かなリ急斜面で岩は浮いているし、所々凍っていてかなリ危険だ。深くんはスキー靴なので歩きにくそう。(他の人は兼用靴)  その後また急な雪渓のトラバースや岩場を数回くりかえして、最後iこガレ場を少し登ってやっと東一の越(と思っていた所)に到着。ここまでで1時間あまりかかってしまった。
 ここからの滑りだしもかなリ急傾斜。また宮野さんを先頭iこ雪庇のきれめから斜面Iこ滑り込む。最上部はかなりきつくて1回だけキックターンする。下は高度差500mくらいの一枚バーンの急斜面で、キックターンするのもこわごわだ。藤本さんもちょっととまどっているみたい。斜面の幅がかなリ広いので斜滑降でずっと下っていって、後はなんとかターンできる。宮野さんと藤本さんは先Iこどんどん滑っていってしまうが、久加天さんと深くんは重い雪に足をとられてボテポテこけまくっている。でも、雪が柔らかいので、転んでも滑落するということはなさそうなので安心だ。もっとも、二人ともスキーをはじめてまだ2年目なので、これくらい滑れればたいしたものだ。
 緩斜面にでて休憩していたら、他のパーティからいま滑ってきた所が正しい東一の越からのコ-スとは違うと指摘された。「大きな荷物を背負って、あの急斜面をよく降りてきたね。」と言われてしまいました。そう言われてみると本当の東一の越よリ2つくらい上の沢から滑ってきている。どうりで険しすぎたはずだ。初めてのコースとはいえ気がつかなかったのは情けない。
 ここから黒部平のローブウェイの駅まては緩斜面だが雪質はベトベトの最悪でスキーが回らない。深くんは昨日は黒部湖まで滑ろうと言っていたが、雪が悪すぎるので黒部平の駅で終了にする。
 帰リの列車も満員だったけど、楽しいメンバ-て快適な山行をすることができました。立山はまだこの他にも、初心者からベテランまでメンパーに応じていくらでもコースがとれるし、またこれからも行ってみたい。

黒部平駅から見たタンボ平 黒部平駅から見たタンボ平の全景。左の大きな鞍部が東一の越です。2つ右上の沢を滑りました。

※ 一の越から東一の越への正しいルートはかなり下り気味にトラバースします。途中何ヶ所か雪が切れていますが、夏道が出ているので注意して見ればわかります。


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