野伏ヶ岳、薙刀山山スキー              2005年2月26〜27日

メンバー:阿野(L)、和佐、丸尾、佐土原、勝、田尻(記)

2/26 (晴)
 7:00 白山仲居神社発→8:35和田山牧場跡テント場着→9:15テント場発 →11:20 薙刀山→12:15登り返し→13:45 薙刀山着→15:25 野伏頂上 →16:40 テント場着

 前夜、21:30に兵庫駅で勝さんの車に拾ってもらった。白鳥まで高速を走る。1時頃に白鳥の道の駅に着いた。シートを倒して仮眠をした。
 5:00に目覚め、めいめい準備の朝食をとる。食事中に勝さんがストックを家に置き忘れてきたことに気づいた。果たしてどうしたものか。しかし幸運なことに、道の駅の目の前のレンタルスキー屋がまだ7時前だというのに開いていた。そこで首尾良くストックを入手し、問題は解決した。ウイングヒルズの前を通り、6時半頃に白山中居神社に到着した。神社前ではすでに阿野さん、和佐さん、佐土原さんが準備をしていた。われわれも荷物を下ろして身支度を整える。
 7時には出発。林道をシールで進む。登高ペースがやや遅いということで途中からテントを担いでいるメンバーが先行し、牧場跡に先にテントを立てておく事になった。田尻は和佐さんの後を必死についていく。 テント場は広い台地状になっており、目の前には野伏岳が聳え立ち、まことに眺望の素晴らしい場所だった。早速雪を踏み固めて設営にとりかかる。

和田山牧場跡より野伏ケ岳
テントを広げかけた頃、勝さん阿野さんも到着。
 生活用具をテントに残置し、まずは薙刀山へ向かった。 テント場と薙刀山の間には推高谷という深い谷がある。まずは野伏岳の北の裾を巻くように谷の右岸を登っていく。標高1250m付近で赤布を見つける。そこは丁度 谷が浅く、対岸に渡れるポイントであった。谷底に降りて休憩をとった。休憩後は基本的に谷底を忠実にたどり、1450mのコルに出た。尾根上はやや風が強い。 コルからは真北に進路をとり、尾根上を薙刀山へ向かった。尾根はところどころがクラストしている。クラストの上に新雪が乗った部分では、スキーが横滑りして少し怖い。しかし傾斜はそれほど強くないので何とか登れる。苦労してやっと薙刀山ののっぺりとした山頂に立った。
 山頂は風が強く寒いので、北面の傾斜の緩い谷を滑り、風が弱まったところで休憩を取ることになった。沢に滑り込む。この山行初めての滑降だ。もう少し傾斜が欲しいところだが、雪質はまずまずなので、脛くらいの新雪を楽しめた。200mほど標高を滑ったところでさらに傾斜が落ちてきたので滑降はそこまでとする。勝さんは、登り返しがきついので我々よりも少し上までで滑降を取りやめた。 雪を掘ってテーブルを作り、ランチタイムとなった。和佐さんがビールをザックから出してくれたが半分ほど凍っている。缶をナイフで切り開いてほろ苦いシャーベットをデザートに昼食を済ませた。
 シールを付けて1時間強で再び薙刀山頂まで登り返した。ここからは、シールを外し 尾根の東側の小さな雪庇の下をトラバースしてコルまで戻った。阿野さんのルート取りが素晴らしく、あっという間にコルまで戻った。ここから再びシール登高となる。 野伏の山頂までは標高差200m強だがやっぱりところどころにクラストがあり難渋する。 阿野さんトップで急傾斜を登りきり、山頂に躍り出た。

薙刀山への稜線を目指して クリックすると大きくなります
薙刀山への稜線を目指して

薙刀山を目指して登行

 山頂からは素晴らしい展望。南に小白山、そして野伏から小白山へ続く稜線から広がる裾野のスロープは、何処を滑ってもスキーに適していそうだ。だが、今日は天気が良すぎたため日当たりの斜面は雪質が悪化していることだろう。ということで、必ずパウダーが滑れるという北東斜面へ入ってみることになった。
 滑り出しはちょっとした雪庇状。軽くジャンプして目的の斜面に滑り込む。とても軽い新雪だ。傾斜は30度でひざくらいのドライパウダー。快適にスキーが回る。全員浮遊感を堪能し、300m強のスロープが終わった。後は、行きに登った谷を滑り降り、行きのトレースにほぼ忠実に高度を落として最後の一息はシール登高でテントに戻った。時計は4:30を指していた。9時間を超える行動で体は疲れたが、充実した1日だった。
 夕食は、スキヤキ。酒飲みテントと酒飲まないテントに自然と分かれたようで、私のテントでは、ビール2本、日本酒5合に加えて焼酎の消費があり、食後は早々に床に 就いたが、和佐さんのテントでは水作りとともにもう少し遅くまで歓談が続いたようだった。

野伏ケ岳方面から薙刀山 クリックすると大きくなります
野伏ケ岳方面から薙刀山

野伏ケ岳の頂上を目指して

2/27 (雪後晴)
 7:25 テント場発→9:50 登り終了(野伏ヶ岳1600m付近)→11:10 テント場着 12:00 テント場発→12:30 白山仲居神社

 朝方、テントが風でばたついている。風が出てきたようだ。だが、入り口の隙間から外を見ると視界はそう悪くない。予定通りの行動を前提に、朝起きることになった。外に出て見ると、テントの中にいて想像するほどには風は強くないものである。雪が降り、野伏の姿は望めないものの視界は比較的良好である。7:30にはテント場を発った。
 牧場を左手に進む。テントを出てすぐ、やはりもうひとつ調子が悪いということで勝さんは、テントキーパーをすることになりひとり引き返す。間もなくダイレクト尾根に取り付く。尾根に上がる前の急斜面は深雪のラッセルだったが、和佐さんが厳しいところは道をつけてくれた。尾根上で小休止の後尾根伝いに高度を上げていく。尾根の上の雪は昨日と同じくクラストしたところに時々軽い雪が積もっていて横滑りを起こし、傾斜が強いこともあいまって、昨日を上回る登りづらさだ。慎重に足場を確かめつつ少しずつ登高を続ける。
 今日はなるべく早めに下山して渋滞につかまらないうちに高速を通りたいと言う思いもあり、1600m付近まで登ったところで、登りは終わりとなる。昨日山頂に達したので、この登りづらい尾根を無理に山頂まで歩く必要もない。登高時に右手に見えた東面する斜面は、雪質があまり良さそうには見えなかったので、一番雪の悪くなりにくそうな昨日と同じ方向のスロープに進路を取ることになった。ブーツとスキーを滑降モードに切り替えて和佐さんリードで斜面に入る。昨日よりはやや重めだが、膝上くらいのパウダーが楽しめた。感じようによっては昨日よりも手応えがあり面白みのある雪質だった。やはりあっという間に至福の時は過ぎ、後は推高谷の底を飛ばして昨日のトレース伝いに幕営地に帰りついた。
 テントを撤収して荷を担ぐ。荷を担いでの樹林帯のスキーは樹間が密だとちょっと辛い。林道に出て、トレースに出ると少し楽になる。時々和佐さんの案内でショートカットを繰り返しつつ林道終点まで飛ばす。12時過ぎに神社脇の駐車場に戻ってきた。
 帰りには白鳥インターのすぐ側で美人の湯に入った。露天風呂もあり、洗い場も綺麗で立派な日帰り温泉施設だ。沢山の人出があったが、湯船が広いのでゆったりと入浴できた。休憩室で清算を終え、車毎に分かれて解散となった。帰りは怖れていた渋滞も少なく、18:00に兵庫駅で降ろしてもらった。
 阿野さん、和佐さん、丸尾さん、佐土原さん、勝さんありがとうございました。




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