飛越新道〜太郎平小屋〜黒部五郎岳〜双六岳〜新穂高温泉   2002年5月2〜6日
日本のオートルートに参加して
  飛越新道から太郎小屋 黒部五郎岳 双六岳 新穂高温泉 

  CL.釣  SL.石塚  阿野 宮崎 亀井 佐土原

 5月2日1149分発富山行きサンバードに乗る。4月からのダイヤ改正により富山駅前よりバスで神岡へ行く。片道一万円程。宮崎氏阿野氏亀井氏一行は、夜間出発で初日からかなりのハードスケジユールだ。
 5月3日宿で手配したタクシー2台で相乗りし、予定どおり出発する。飛越新道駐車場へ1時間程で着き料金は1万2千円程であった。車中にて朝飯を済ませる。板をザックに付けて6時30分出発。石塚さんを先頭に急斜面をハイスピードで行く。「もうすこし、ゆっくり」と、お願いする。ぬかるんだ道もやがて雪道となり、9時頃シールを付ける。アップダウンを繰り返しながら10時25分寺地山到着。正面に目指す北ノ俣岳、そして左方遠くに薬師岳を見る事が出来た。ここからシールをはずして滑るがあっという間に下部に着き、またシールを付ける。11時45分北ノ俣避難小屋にて大休憩をとる。水場がないためコンロで雪を融かして水を作る。釣さんは好調なペースだと話す一方、宮崎さんは小屋にて仮眠する。夜間の運転がこたえているようだ。それでもパワフルで滑り重視の広い板はグングン直登していく。私たちは繰り返しキックターンして行く。いくら進んでもこれでもか、これでもかーと遠い。やがてペースダウンしながらも稜線に2時55分着く。「あっ小屋が見える!」と、感激のあまり叫ぶ。明日めざす黒部はもちろん、遠くに槍ガ岳と大きな薬師岳。素晴しい景色に疲れも忘れてしまう程であった。太郎小屋をめざして緩やかなコルへと爽快に滑降する。そこから、丘を一つ越えるが、ここで宮崎さん達は、四苦八苦する。カービングの板だと厳しいようだ。4時20分太郎小屋に到着。おつかれ様です。

 5月4日雨にて小屋に停滞。一日中雨だったので外に出る事もなく山道具の事や次の山行や明日のこと等、酒とつまみで座談して過ごす。体も休む事も出来たし、楽しい一時であった。食事もご馳走でした。
 5月5日 早朝、ヘッドランプをつけて冷たいお弁当をたべる。4時55分出発。ホワイトアウト。霧雨が激しい雨にかわる、晴れることを信じて前へと進む。ずぶぬれになりながらも、視界が全くきかない。阿野さんのGPSが頼りになる。電池の消耗が激しくなければもっと良いのに。7時頃、北ノ俣岳に着く。


赤木岳付近の稜線で  5月5日

 シールをつけたまま尾根上にそって赤木岳を通過する。8時50分に中俣乗越。雨も止んでガスも晴れ、目前に黒部岳の全容が迫る。それぞれ、好きなスタイルでアタックする。石塚さんと私は夏道で、亀井さんはツボ足で、釣さん宮崎さん阿野さんはシール登行。10時7分ようやく黒部の肩に着き、ガスの切れ目から槍ガ岳。記念写真を撮りまくる。てっぺんから宮崎さんが登場。デジカメを向けると全身で「ヤッター」というポーズが印象的。本日のハイライト、肩のでだしの雪庇を避けカールへ滑降、傾斜38度程。亀井さんは3回目のターンで転びどんどん落ちてゆく姿に私はビビル。後で聞くと「こわいというよりもったいない」と言う感想でした。小屋を目指し右岸をひたすら斜滑降で下る。所々デブリも見られ不気味に思う。石塚さんの危険の合図が分からず突進し、穴の上をジャンプ。危ないところだった。以後気を付けよう。
 11時19分黒部五郎小屋到着。大休憩してこれからの登りにそなえて行動食をしっかり食べてから黒部をバックに集合写真を撮る。12時出発。足並みそろってシール登行。いいペースで稼いで行く。振り向くと黒部がはるか遠くに見える。あんな所から来たのかと思うと感慨無量な面持ちに浸る。前も後ろも私達だけだ。大きな空はどこまでも青かった。一つ目のピークを越えた所から途中、夏道となり板を背負ってゆく。2時20分三俣蓮華岳に着く。ここから丸山への稜線上は風が強く体温をぐんぐん奪ってゆく。寒い。槍・穂高を眺めながらの絶好のコースだけど早く小屋に着きたい一心で双六岳の途中からトラバースし穂高を正面に、おもい想いにターンを刻んでキャンプ場に向かっていく。4時30分双六小屋到着する。

 5月6日 快晴。7時板をザックに付けて出発する。槍・穂高の秀峰を眺めながらのんびりと。弓折岳8時34分着く。これより大滑降の開始となる。最終日、今回このコース最大のお楽しみ。標高差1188mもあり、もう足は既にパンパンでだるい。しかも石などをよけた時にはコテンパンに転んだ。登りの苦しい事もたくさんあったが、もっとうまくなって「又、来るゾ」と思った。
 林道でスキー終了。10時15分危なそうなスノウブリッジを渡ると林道の雪は解け、ふきのとうと新緑が春を満喫させてくれた。
 新穂高温泉、11時40分到着。                    砂土原 記
   


弓折岳付近で槍ヶ岳をバックに 5月6日  写真を拡大



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