ロッジからの風景
ロッジからの風景
 CMH参加のレポート


 2001年4月27日〜5月7日にCMH(Canadian Mountain Holidays)のヘリスキーに参加しました。
 CMHは、北米最大のヘリコプター会社で、カナダのブリティッシュコロンビア州のロッキー山脈中に11個の飛行エリア(スキーエリア)を持っています。1つのスキーエリアは、ほぼ長野県の広さです。スキーシーズンは、12月中旬から始まり、5月初旬で終了します。ゲスト(参加者)は、毎週土曜日の午後、各ロッジに入り、日曜日から金曜日までと、土曜日の午前中の6日半をヘリスキーで楽しみます。そして土曜日の午後、ロッジからカルガリーへと戻ります。これと入れ代えに、次の週のゲストがロッジに入ります。このように1週間単位でゲストが入れ代わるシステムなので、日本から参加する場合は、必ず、金曜日出発で翌々週の月曜日帰りということになり、11日間の長期休暇が必要です。このため、正月休みの週とゴールデンウィークの週は日本人が約3割前後参加しているようですが、それ以外の週は、日本人は数名しか参加していないようです。
 各エリアは、原則、44名しか参加することができず、44名は、11人ずつ4つのグループに分かれて滑ります。1つのエリア(ロッジ)には、1台の主ヘリコプター(13人乗り)と1台の補助ヘリコプター(小型ヘリ)とが備えられており、主ヘリコプターが、11人+ガイドの4つのグループを、順番に山の上に運び上げては、滑ってきたグループをピックアップして次の山の上へ運び上げます。

シュプールがくっきり
シュプールがくっきり
 参加資格は、SAJ1級または2級以上程度で、オフピステの滑走経験が豊富で、体力のある人ということになっています。最後の「体力のある」という条件が最も大切かもしれません。春(ゴールデンウィーク)の場合、日照時間が長く、朝9時にロッジを出発し、帰ってくるのは6時前ということもあります。昼食は、雪の上で(補助ヘリコプターが昼食を運んでくれます)、サンドイッチ、スープ等を約30分で平らげ、すぐに午後のスキーに入るといった具合です。午後3時を回り、10本目、11本目のランになると、足がパンパンで、体力の重要性を切実に感じます。1回のランは、コースにより異なりますが、約1km〜5kmで、天候により、オープンコース(氷河の上等)であったり、ツリーコース(木と木の間隔が結構狭く、ハイスピードで滑るので、ツリーコースの方が難しい)であったりします。
 CMHには「保証標高差」というのがあり、滑走距離ではなく、標高差が保証されています。天候不順でヘリが飛ばず、保証標高差に達しなかった場合は、お金の払い戻しがされますが、天候がよく、ゴールデンウィークのように日照時間が長い場合は、4時になっても5時になっても楽しく滑れるので、保証標高差をはるかに超えて、追加料金をとられるという事態も生じます。
 私は、今回、1週間で29400mの標高差を滑りました。立山のタンボ平を約30本滑った見当です。初日の日曜日は、ガスでヘリが飛ばず、月曜日も約2時間遅れでヘリが飛び、早めに切り上げたこと、および土曜日の半日は、ヘリは飛んでいたが、体が疲れたので滑らなかったことを考えると、実質上火曜日から金曜日までの4日間で約3万mであり、ヘリスキーを満喫することができました。
 特に、日曜の夜、月曜の夜および火曜の夜は雪だったため、翌日はひざ上までのパウダーを楽しめました。(CMHは、原則として同じコースには行かず、滑る度にコースを変えますから、常に新雪で、他人が滑った後を滑るということはありません)


Bugaboos spire を背に

 気になる費用は、約55万円ですが、これには日本からカルガリーまでの航空費、カルガリーのホテルでの宿泊費および朝食代、ホテルからロッジまでのバスおよびヘリの費用、ロッジでの3食付費用およびヘリスキー費用の全てが含まれています。高いか安いかは見解の分かれるところですが、ウィスラーなどでオプションの一日ヘリスキーをしようとすると、500〜700ドルもかかることを考えると、リーズナブルな値段という気がします。そのせいかどうか、日本からの参加者は、半分以上がリピーターのようです。
 時間とお金があれば、もちろん体力がなくならないうちに、是非ともまた参加したいというのが私の感想です。    (稲岡 耕作)


  CMHのウェブサイト  http://www.cmhjapan.co.jp  


 
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