2000年ヨーロッパアルプスオートルート  2000年4月25日〜5月8日

  悪天候等のため予定の縦走コースを完走することはできませんでしたが、アルプス各地を滑ることができました。

     モンテローザ氷河から見たマッターホルン
       モンテローザ氷河から見たアルプスの山々。右端はマッターホルン。5月2日。     (撮影 上田 博) 


オートルートは一部実施、へリスキーなど楽しむ 
    全国スキー協30周年記念 2000GW ヨーロッパアルプス・オートルート   関西グループ  釣 順信

  関西オートルート隊は今回8名、50代2名、後は全て60代といったやや高齢者のグループであった。期間は4月25日出発、5月8日に帰国 の14日間の日程である。当初のオートルートの予定コースは4月28日 グラモンテスキー場より出発、シャルドネのコルを経て、トリアン小屋など四つの小屋に宿泊し、ツェルマットに到着、その後、アドラバスを越え5月4日にサースフェーに到着するという六泊七日のいわゆるオートルー トの一般コースをたどるというものであった。
 ガイドは関東、東海パーティがフランス、シャモニーのガイドに依頼したのとは違い、最終到着地のスイス、サースフェーのガイト二名に依頼した。結果的には、予定のオートルートは敢行出来なかった。実行出来たのはほんの一部である。それは、天候、雪の状態、滑降技術、登りの足並みの不揃い等々による。また、終盤になって、モンテローザ氷河を滑降中、転倒、左足首骨折でへリに救助され、入院するという私自身の事故もあっ た。しかし、初めての氷河の滑降、ヘリスキーなどで、アルプスの景観を満喫したこと、アラリンホルン(4027m)の頂上に立てたこと、また予定外ではあったが、ガイドの案内によるサースフェー渓谷でのスリリングな谷渡り経験、アイガ―北壁の観光など、満足すべき点も多々あった。この貴重な体験を今後のために生かし、再度、挑戦出来る機会があればと思われる。関西隊の行動を簡単に記すと、次のとおりである。

4月28日(金)
 シャモニーに三泊し、買物やヴァレプランシュと氷河の足慣らしの滑降等をした後、ゴンドラでグラモンテスキー場最上部に上がり、行動を開始する。ところが、風速20mの強風、そしてガチガチの凍った雪に悩まされながら、なんとかアルジャンテイエール氷河に降りるが、天候がみぞれまじりで、先行き不安な状態。ガイドの判断は、雪の状態、天候等も考えこれでは前進は不可能ということだった。外国人の他のパーティも続々降りている。我々も降りることにし、スキー場下部のレストランでこれからどうするか全員で協議する。
 ガイドの提案は、今後の距離の長さ、雪の状 態、天候等も考えツェルマットまでの行程は非常に困難なので、ガイドの地元スイス、サースフェ一に行き、逆コースでのオートルートをやってはどうかというものだった。そのほうが登りが少なく、やりやすいというものである。全員それに賛同し、実行することになった。そして、同日すぐ列車とタクシーで、サースフェーへ移動する。今後の日程は大幅に変更になったので、行動前日のミーティングで決定することになった。


4月29日(土)
 昨晩から雨が一日中降り続く。山の行動は無理とのことで、ガイドが近くの渓谷でアドベンチャーコースだといって、ハーネスで確保し、宙吊りになっての谷渡りで半日を過ごす。サースフェー泊。

4月30日(日)
 アルプスに大分雪が降ったとのことで、山越えでアドラバスを越えてツエルマットに行くことは中止する。車でツェルマットに移動し、ゴンドラで上がり、シェンビール小屋へ入ることになる。ゴンドラ乗り場で関東B隊の田畑さん、田中さん、倉崎さんらに会う。ゴンドラ降り場シュヴァルツゼ―よりマッターホルンの麓を通っていわゆる西行きのオートルートのコースに入る。ガイドの説明では約三時間の予定が小屋まで到着が五時間余掛かった。隊のメンバーが大きく離れ、ミーティングでガイドより指摘を受ける。明日の行程の説明があり、Y氏が断念を表明。全員でオートルートを中止の決定をし、スキー場滑降、ヘリスキーなどを検討する。
シェンビール小屋
シェンビール小屋。4月30日。
シェンビール小屋の前で
 シェンビール小屋の前で。後ろの雲がかかっている山はマッターホルンです。4月30日。
シェンビール小屋から見たモルゲンロートのマッターホルン

 シェンビール小屋から見たモルゲンロートのマッターホルン。5月1日。

5月1日(月)
 シェンビェ一ル小屋よりフーリーまで滑降、ゴンドラでクライネマッターホルンまで上がり、チェルビニア(伊)までスキー場を滑降。ホテル泊。

5月2日(火)
 チエルビニアよりゴンドラでプラトー・モンテローザに上る。全員ヘリで4200Mのモンテロ―ザ下部に運んでもらい、フーリーに向けて滑降する。午後1時20分、釣が氷河底部で転倒骨折、ヘリに救助され、ヴィスプの病院に帰国まで六日問入院。ツェルマット泊。

   モンテローザ氷河の途中で。5月2日。


5月3日(水)
  車でサースフェーに移動。関東A隊矢口氏らと会う。Y氏以外、サースフェーよりゴンドラ、Tバーを利用し、スキー場最上部へ。約三時間を掛けてアラリンホルン頂上へ。滑降、登行の後、ブリタニア小屋へ到着。

  アラリンホルン
 アラリンホルン
  アラリンホルン(4027m)頂上。5月3日。 
 アラリンホルン頂上


サースフェーのブリタニア小屋   ブリタニア小屋。5月3日。

    ブリタニアヒュッテ全景

5月4日(木)
 周辺山域を探索した後、サースフェ―へ滑降。午後一時過ぎ到着。

5月5日(金)〜8日(月)
 アイガー北壁観光、帰国準備、帰国。


アラリン氷河を登る
  モルゲンロートのアラリン氷河をアドラーパスに向けて登る。
  5月4日。




グリンデルワルド

 グリンデルワルド。5月5日。





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